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パリのカルチエ・ラタン、パンテオンのすぐそばに2007年秋オープンしたフレンチ居酒屋「遊鈴」のオーナー、Youlin(ユーリン)さん。信じられないほど日本語が流暢な彼に、美味しい食事をいただきながら、なぜこのお店を開くことになったのか、お話を伺いました。(2008-02-27)
 
このお店で何より驚くのはユーリンさんの日本語!上手というより、ほぼ日本人並みですよね。なぜそんなに話せるんですか?
17歳の時に交換留学で1年間ホームステイして、高校に通ったんですよ。場所は東京・八王子で、周りには外国人も全然いなかったし、とにかく言葉をマスターしないと生きていけなかった、っていうのが大きいですね。

日本での高校生活、どうでしたか?
普通に馴染んでましたね。一度、渋谷で他校の生徒のグループとケンカになったなんて事件もあったり(笑)ステイ先の家族にはちょっと呆れられましたけど。

フランス 人でそういう経験をしたことのある人はとても珍しいでしょうね(笑)!それから一旦パリに戻ったんですか?
パリに戻ってコンピュータグラフィックの仕事をしていたんですが、自分がボーカルをしていたバンドとの両立が難しくなって会社を辞めたんです。それからはサンタンヌ通りのうどん屋さんでバイトしながら、ライブ活動を続けていました。

そして日本 へ・・・
ワーキングホリデーで京都に1年暮らしました。京都は一番好きな街ですね。いいライブハウスも多いし、 動きやすい、ちょうどいいサイズだし。ここで、枝魯枝魯というお店で働いたことが、今回の「遊鈴」オープンのきっかけになったと言ってもいいと思います。

枝魯枝魯といえば、「くずし割烹」で有名な、京都でも予約の取りづらいお店ですよね。
カリスマ的存在の料理人、枝國栄一さんのもとに、熱意のあるスタッフが集まった、ある意味「体育会系」のお店ですね。もたもたしていると下駄で蹴られたり、とても厳しい環境でしたが、勉強になりました。なにしろ、スタッフになりたいという人が日本全国から集まってくるようなお店でしたから。

正直言って、フランスの方がそういう「体育会系」の雰囲気に耐えられるというのが、ちょっと想像つかないのですが・・・
フランスでも職人の世界というのは同じように厳しいものです。だからフランスだから、日本だから、という国の違いは関係ないと思いますよ。
 

それからどのような経緯で「遊鈴」が生まれたのですか?
京都でいつも通っていた大好きなカフェがあったんですけど、パリに戻って、同じような雰囲気のお店をいつか開きたいと思っていました。枝魯枝魯のオーナーのサポートもあって店舗を探し始めたら、思っていたより早くいい場所が見つかったので飛びついたというわけです。何より、40年も前からあるという、木のカウンターにひとめぼれしました。

お店を開くにあたり、どんな点にこだわりましたか?
まずお店の雰囲気ですね。日本のカフェのような居心地の良さ。それから、かかっている音楽も、壁のアート作品も、実は日本人の作品が多いんですけど、一見しただけでは日本のものだとは気がつかない。パリで流行りだからといって「日本」を全面に押し出すのではなく、雰囲気や器、ちょっとした心遣いから「日本」を感じられるようなお店にしたいと思いました。

お料理が基本的にフレンチなのも同じ理由からですか?
フランス料理の修業をした日本人シェフが作ってくれています。やはりせっかくパリで、フランスの美味しい食材が手に入りやすい環境なのだから、日本料理ではなく、フレンチを楽しんでもらいたいと思っています。
 

ブーケサラダ

鯛のエスカベッシュ

つぶ貝とマッシュルームの
グラチネ

フォアグラ・コロッケ

野菜のスープ

サーモンのグリル

鶏のロティー
粒マスタード

仔羊の煮込み
トマトソース

メニューの内容は
毎週変わります

器の使い方や盛り付けなどに、どことなく日本らしさがにじみ出ていて、まさに「フレンチ居酒屋」というネーミングがぴったりだと思いました。
器も僕自身がこだわって選んでいます。

「フレンチ居酒屋」というだけにもちろんお酒も・・・
ワインはもちろん、日本酒や焼酎、梅酒など、自分が美味しいと思うものを揃えています。普通のお店では楽しめない、日本のお酒とフランス料理との組合せも面白いですよね。

これからの展望は?
今は夜のみのオープンですが、このあたりは学生が多いので、安くて美味しいランチも始めたいですね。とにかく、「こういう店」と決めつけてしまわずに、どんどん進化させていきたいですね。

今日はありがとうございました!
 

生粋のパリジャンだそうですが、ご先祖にはアジア系の方もいるというユーリンさん。とにかくおしゃべりがうまい!なんとなく懐かしいような空気が流れるお店の中、カウンター越しにいろいろお話をして、美味しい食事とお酒をいただいていたら、そのあまりの居心地の良さに帰る気が失せてしまうほどでした。旅に疲れたときにふらっと立ち寄ってみたいお店です。
ちなみにユーリンさんと関係の深い京都の名店、
枝魯枝魯が近々パリにお店をオープンするそうですのでこちらも注目です。
 
遊鈴カイエの紹介ページ
3 rue Valette 75005 Paris
01 43 26 05 32
Maubert Mutualite 10番線、 徒歩3分
18:30〜24:00
おまかせコース(前菜、魚、肉、デザート 全5品) 21€
http://www.youlin.fr(音が出ます)

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