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「CLARAMONTE クララモンテ」は、フィリップ・ベルトランとピエール・ジオネ、ふたりのクリエイターが出会って誕生した注目のバッグブランド。ブランドの話はもちろん、 ふたりが現在に至るまでのクリエイター遍歴もうかがいました。
写真の左がピエール、右がフィリップ。
(2007-01-04)
 

07年春夏コレクション
Meduse(上)
Zola(下)

まず、ブランド「CLARAMONTE クララモンテ」の紹介をお願いします。
2005年9月にふたりで立ち上げたバッグ・ブランドで、今はレディスのみ展開しています。レザーやゴブラン織りを中心に、手作りの風合い とアルチザン(職人)の技を感じられるバッグ作りを目指しています。

革の織りやファブリックの刺繍など、 使っている素材そのものが、とても特徴的でユニークな感じがするのですが、すべてフランスのものですか?
いえ、レザーに関してはすべてモロッコで作っています。例えば、ここ数年流行が続いている革のトレサージュ(編み込み)なんかは、モロッコの職人さん の手作り。機械で編みこんだものとは手触りも雰囲気も丸っきり違うし、すかし模様などオリジナルなデザインは手作りでないと難しいからね。だから、モロッコには毎年足を運んで、職人や工場と綿密に打ち合わせしています。
ファブリックは、アンティークのものと僕達がデザインしたものが半々ぐらい。もともとソファ用に生産されたゴブランやジャカール生地のデッドストック 、きれいな刺繍の入ったアンティーク生地なんかも、小まめに探しては集めています。

「クララモンテ」の 名前の由来は?
フィリップ】僕の母親の苗字なんです。スペイン系の名前で、とても美しい響きを持っているので気に入ってます。

「クララモンテ」のバッグを3つの言葉で形容するなら?
んんん...(ふたりで少し悩んだ後で)、「Authentique=本物」、「Unique=唯一無二」、「Tactile=触感の」かなぁ。あと、バッグのことを無意識に「オブジェ」と呼んでいることが度々あって、僕達にとっては芸術作品のようなものである、と言えるかもしれない。

どんな女性に「クララモンテ」のバッグを持って欲しいですか?
【ピーエル】モダンでオリジナリティーにあふれた女性かな。パリで見かける日本人の女の子達はまさに僕の持つ「クララモンテが似合う女性」にぴったりのイメージ。
【フィリップ】なんに対しても「Attitude=姿勢」を持って行動する凛とした女性、そして常にちょっとした反逆精神を忘れない人かな。
 

Madame Figaro No1097
トレサージュのレザートート。

ふたりで物づくりをする上での利点はなんですか?
【ピエール】お互い結構自由にやってます。役割分担としてフィリップがデッサン、デザイン、モンタージュを進めて、僕が色や素材のチョイス、全体のバランスを見た 上でアドバイスをしながら補正していく感じ。
【フィリップ】僕は結構暴走してしまうタイプだから(笑)、そこをピエールがきちんと軌道修正 してくれるので、上手くバランスが取れています。お互い足りない部分を補える存在である、というところが一番の利点ですね。

なるほど、では、不利な点は?ケンカとかはしないんですか?
【フィリップ】んー、クリエーションに関してはあまり思いつかないかな。もちろん、小さなアトリエに四六時中ふたりでいれば息が詰まるときもあるけど、そういう時はお互い自分の時間を持つようにしているし。
【ピエール】強いて言えば、フィリップが頑固なところ。デザインの段階で僕が注意しても聞く耳をもたず、最終的に形になった時点で、「ピエール、君が正しかった」なんて認めたりして。だから僕があれほど言っただろ!という気持ちになることがしばしばあります( 涙)。

 

そもそも、この世界に入ったきっかけは?
【フィリップ】子供の頃から物を作るのが好きで、妹をバービー人形代わりに、ファッションショーごっこをして遊んでいました。僕の運命を変える大きなきっかけは、17歳の時に、ずっと書き溜めていたデッサン画をクリスチャン・ラクロワに送ったこと。ラクロワは、僕と同じアルルの出身なんです。地方都市からパリ、そして世界に羽ばたいた大先輩ということもあって、思い切ってデッサンと共に手紙を送りました。幸運にも、ラクロワが僕のデッサンを気に入ってくれ、学校卒業を待ってパリへ上京したんです。

有名デザイナーに手紙を出して直談判するなんて、すごい勇気がありますね!
【フィリップ】はい、人生何があるかわかりません(笑)。ラクロワの下で研修を終え、その後はケンゾー、ゴルチエのところで働きました。というわけで、僕はもともとモード畑出身なんですよ。 バッグのデザインにも、洋服的なところが現れているかもしれません。

ピエールさんがこの世界に入ったきっかけは?
【ピエール】僕の場合は、フィリップのようにドラマティックではないんだけど、やっぱり小さな頃からデッサンするのが好きでした。洋服よりも、オブジェや建物が対象でしたけど。あとは日本のマンガ、特に「聖闘士星矢」の大ファンでよく真似して描いていました。
(ここでフィリップさん苦笑)

07年春夏コレクション
Lilikate(上)
Soupir(下)

 

フィリップはマンガなんてってバカにするけど、僕の世代(ピエールはフィリップよりも10歳年下)にとっては本当に大きな影響力を持っているんです。(その後、マンガに対する情熱を熱く語ってくれました)

話が少しそれたので、ちょっと戻しましょう(笑)
【ピエール】はい。学校も終わりに差しかかり、皆が次々と研修先を決めている時期になっても、将来やりたいことが明確に見えてませんでした。で、デザイン事務所の住所録をぱらぱらとめくって、ツェツェの名前を見つけたんです。

え、ツェツェといえば日本でも大人気のデザインユニットTse&Tseですか?これまたラクロワと同じぐらい大胆な!
【ピエール】ははは。友達にもびっくりされました。いくらなんでもそんな有名なデザイナーが雇ってくれるわけないだろって。それが、ラッキーなことに研修生として受け入れてくれたんです。
代表作としてはバスティーユ界隈の「Le Pause Cafe」です。内装やテーブル、椅子にいたるまでデザインを担当しました。仕事をしていくうちに、お客さんとコミュニケーションを取りながら物を作り上げる喜びというものを感じるようになり、クリエーションはもちろん、営業的な仕事も自分に向いているんじゃないかと思いはじめました。この経験を生かして、「クララモンテ」でも、フィリップがクリエーションをメインに、僕はコミュニケーション担当という感じになってます。
 

07年春夏コレクション
Volute(上)
Petite Lola(下)

有名デザイナーと共に仕事をして学んだことは?
【フィリップ】ラクロワは僕にとって師匠であり、第2の父であり、偉大すぎて学んだことは一言で語りつくせません。ゴルチエは、とにかく妥協を許さない厳しい人でした。特に、オートクチュール部門を担当していたので、細かな刺繍などでも、何度も何度もやり直しを命じられました。そのおかげで、「自分の限界を超える」ことが出来たような気がします。もうだめだ、と思ったその先にこそ素晴らしいものがある、ということを教えてくれました。
【ピエール】Tse&Tseのデザイナー、セゴレーヌとカトリーヌに学んだことは、人間的な温かさと夢のある世界ですね。彼女達のようなハジケた遊び心がクリエーションには必要だと思います。

モードの世界を目指す若者へひとこと。
とにかく、「願い続けること」が大切。そして「地道にコツコツと努力を続けること」も忘れてはいけないと思う。この世界は運や才能による部分もあるけれど、決してそればかりじゃない。有名メゾンでも研修生なら結構気軽に雇ってくれます。そこで、すぐに舞い上がっておしゃれなパーティーばかりにうつつを抜かしたり、頭でっかちになって努力を怠ると、夢を叶えることは難しいと思います。自分の夢を願い続けて、常に謙虚に努力を惜しまなければ、見てくれる人はきっと見ていてくれます。
 

最後に、「クララモンテ」の今後のプロジェクトをお聞かせください。
まずは、日本のあるセレクトショップとのコラボレート企画として、メンズのバッグを初制作します!可能であれば、靴作りにもチャレンジしたいです。

主な取り扱いショップ
-TOMORROWLAND Galerie Vie/ベイクルーズ/H.P.France CONCENTO/SAZABY LEAGUE

Claramonteコンタクト先
philippeclaramonte@free.fr
Tel: +33 (0)6 26 80 41 33


編集部より
フィリップとピエールに出会ったのはある展示会でした。男性ふたり組みのバッグクリエイターなんてちょっと珍しいので、今回思いきってインタビューをお願いしたのです。話をしていて実感したのは、ふたりとも驚くほど謙虚なところ。それでいて、物づくりに対する情熱が静かに、ひしひしと伝わってきました。ラクロワやツェツェに認められてこの世界に入ったという、アメリカン・ドリームならぬフレンチ・ドリームと呼びたいほどの幸運を掴んだふたりですが、そんな夢物語に浮かれることなく、1歩1歩、地道に努力してきたことが実を結んだのだな、と強く感じられるインタビューでした。
 

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